CSSのプロパティ値でサイズを絶対値で指定しています
JIS 5.6 a); WCAG 3.4;
 
 
概要

Webページが参照しているCSSのプロパティ値が、('%', 'em' のような)相対値ではなく、('in', 'px', 'mm' のような)絶対値で指定されています。style要素あるいはlink要素でリンクしている外部CSSファイルでこれらの単位が用いられています。

 
 
修正/チェック方法

スタイルシートのプロパティ値では、絶対値ではなく相対値を用いるべきです。'px', 'pt', 'pc', 'cm', 'mm' といった単位を、すべてパーセントあるいは 'em' に置き換えてください。

絶対値による指定を用いてもよいのは、ユーザーが使用するデバイスの種類が特定できるとき(例:webTV)、あるいは表示されるオブジェクトがサイズを変更すると歪んでしまうような場合(例:GIFイメージ)のみです。

文字サイズの指定には絶対値を用いないのがベストです。

 
 
修正/チェックのポイント

小さな文字や、行間、文字間の狭い文章は、多くの利用者にとって読みにくいものです。
文字サイズや行間を読みやすく指定し、さらに、利用者が自分の好みに合わせて変更できるようにしてください。

  • 文字サイズについて
    • スタイルシートで指定する。
    • 相対値で指定する。
      例えば、「font-size:14pt」ではなく、「font-size:120%」のように相対値で指定する。
      (これにより、ブラウザでのサイズ変更が可能になる。)
  • 行間について
    • スタイルシートで指定する。
    • 相対値で指定する。
    • line-height: は、日本語で 110 から 200%。英語で 160 から 250% とする。
  • その他について
    • 文字フォント(font-face)は、指定しなくてもよい。
      (OSにより搭載されているフォントが異なり、利用者が見やすいフォントに設定していることがあるため。)
    • overflow:hidden は、使用しないことが望ましい。文字サイズを大きく設定した場合、一部の文字が表示されなくなる場合がある。
    • position:absolute は、使用しないことが望ましい。文字サイズなどを変更したときに文字や画像が重なり、下に配置された内容を参照できない場合がある。

『富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 第2.0版』 © 2004 富士通株式会社

 
 
JIS関連項目

5.6 文字
a)
文字のサイズ及びフォントは,必要に応じ利用者が変更できるようにしなくてはならない。
参考 高齢者又は弱視者が利用するとき,文字が小さくて読みづらく感じることがある。ウェブブラウザによっては,文字の表示サイズを変更できる機能がある。この機能に対応することで,利用者が読みやすいフォントサイズに調節することができる。
文字サイズは,ウェブブラウザで変更できる“em”“%”を使用してスタイルシートで指定する。

JIS X 8341-3:2004『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報機器における機器,ソフトウェア及びサービス-第三部:ウェブコンテンツ』(© 財団法人 日本規格協会)

 
 
解説

可能なかぎり、相対値でサイズを指定するのがベストです。

こうすることで、ページのレイアウトは、ユーザーが使用しているブラウザのウィンドウやモニタ画面のサイズ、およびユーザーがデフォルトとして選択した文字サイズに応じて可変となる "リキッド" レイアウトになります。

 
 
JIS X 8341-3について

JIS X 8341-3 の内容は、以下のサイトにて規格番号「X8341-3」で検索して、規格票をご覧ください。

  • 閲覧:日本工業標準調査会(JISC)
    http://www.jisc.go.jp/
  • 購入:日本規格協会(JSA Web Store)
    http://www.webstore.jsa.or.jp/