情報を適切に構造化/グループ化していますか?
JIS 5.2 a), 5.3 b); WCAG 12.3;
 
 
概要

Webページにあるテキストが意味のあるグループに適切に分けられていることを確認してください(見出し、リスト項目、など)。

 
 
修正/チェック方法

ありとあらゆる手段を用いて、テキスト、フォームのコントロール、そしてリンクなどをできるかぎり細かくグループ化してください。

例えば、optgroup要素を用いて、select要素内のoption要素をグループ化する、fieldset要素およびlegend要素を用いて、フォームのコントロールをグループ化する、リストを適切に入れ子構造にする、見出し(h1要素、h2要素、...)でドキュメントを構造化する、などが挙げられます。

 
 
修正/チェックのポイント

構造のための要素や属性と、表現のための要素や属性を切り分けて使用することにより、音声ブラウザなど、多様なブラウザの機能が利用できます。
音声ブラウザによっては、見出し( <h1>タグから <h6>タグ)を指定したテキストを読み上げる前に音をならし、見出しであることを示す場合があります。
しかし、文字の大きさ(<big>タグなど)だけで見出しを指定した場合、この効果を得ることができなくなります。

ラベル(名称)とコントロールを関連づけ、複数のコントロールを適切にグルーピングすることで、設定すべきコントロールが見つけやすくなります。

  • 以下のような、構造のためのタグは、文字表現だけの目的で用いないこと。
    • 見出し(<h1>タグから<h6>タグ)
      文字サイズの指定に使わない。
    • 引用(<q>タグ、<blockquote>タグ)
      インデントのために使わない。
    • リスト(<ul>タグ、<ol>タグ)
      インデントのために使わない。

    メニュー項目の数が多いほど、利用者は必要な項目を見つけ出すまでに時間がかかります。

    特に、音声ブラウザを利用している人は、メニュー項目を音声で参照するため、全ての項目を参照するまでに時間がかかります。
    また、メニュー内の各項目を覚えなければならず、選択操作が困難になる場合があります。

    • 覚えやすさと選びやすさを考慮し、7 プラスマイナス 2程度の項目数を目安とすることが望ましい。
    • 多くなるときは、適宜、グルーピングする。場合によってはページを分割することも考慮しておくことが望ましい。
    • 区切り線を入れるなど、グルーピングの構造をわかりやすくする。
    • メニュー項目は、わかりやすい並び順にすることが望ましい。例えば、50音順に並べるなど、利用者が並び順のルールを把握できることが望ましい。

    ラベル(名称)とコントロールを関連づけ、複数のコントロールを適切にグルーピングすることで、設定すべきコントロールが見つけやすくなります。

    • コントロールが多くなる場合は、グループ化する。<fieldset>タグを使って、グループ化し、<legend>タグでグループのタイトルをつければよい。

『富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 第2.0版』 © 2004 富士通株式会社

 
 
JIS関連項目

5.2 構造及び表示スタイル
a)
ウェブコンテンツは,見出し,段落,リストなどの要素を用いて文書の構造を規定しなければならない。

5.3 操作及び入力
b)
入力欄を使用するときは,何を入力すればよいかを理解しやすく示し,操作しやすいよう配慮しなければならない。
例4. 選択肢が多い場合には,選択肢を構造化する。支援技術を用いている利用者が望む選択肢を探 しやすくなる。

JIS X 8341-3:2004『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報機器における機器,ソフトウェア及びサービス-第三部:ウェブコンテンツ』(© 財団法人 日本規格協会)

 
 
解説

コンピュータ画面上の文章と紙に印刷された文章とでは、物理的条件および作業の違いにより、ユーザーの文章を読むパターンが大きく異なります。

ユーザーがコンピュータの画面上でWebページを読むときには、その全体の構造およびコンテンツ部分を確認するために走り読みをします。その際、ユーザーの目を引くのは、タイトル、見出し、太字のテキスト、下線のあるリンク、インデントされた部分などです。

この走り読みを終えた後で、かつユーザーの関心を引く何かがあった場合のみ、ユーザーは長い文章部分を読みます。

さらに、支援技術は、情報を自動的にグループ化して、グループごとにレンダリングすることができます。例えば、フレームは1つずつレンダリングする、ユーザーが特定のセクションにジャンプできるようにする(h1要素、h2要素、... でマークアップされた見出し箇所だけを拾い読みする)、ホットスポットを1つの集合体としてレンダリングする、などです。このように、支援技術のユーザーは、グループ化されたコンテンツやナビゲーション部分を活用することができるのです。

 
 
JIS X 8341-3について

JIS X 8341-3 の内容は、以下のサイトにて規格番号「X8341-3」で検索して、規格票をご覧ください。

  • 閲覧:日本工業標準調査会(JISC)
    http://www.jisc.go.jp/
  • 購入:日本規格協会(JSA Web Store)
    http://www.webstore.jsa.or.jp/