object要素で音声を提供している場合、ユーザーが制御できますか?
JIS 5.7 b);
 
 
概要

Webページに、object、embed、applet要素のいずれかが使われています。それにより音声が再生されている場合は、可能なかぎり、再生開始、再生停止、ボリューム調整などの制御手段を提供して、ユーザーが自分の意志で、再生を開始したり、停止したり、ボリュームの調整をしたりできるようにすべきです。

 
 
修正/チェック方法

object要素で音声情報を提供している場合は、再生開始、再生停止、ボリューム調整などの制御手段を提供していて、ユーザーが自分の意志で、再生を開始したり、停止したり、ボリュームの調整をしたりできるようにするのがベストです。そういった制御ボタンのあるプラグイン(プレーヤー)を用いてもよいでしょう。

あわせて、できるかぎり、音声が自動的に再生されないようにしてください。どうしても音声を自動的に再生させる場合は、音声が再生されていることをユーザーに分かりやすいように画面上で明示しなくてはなりません。

 
 
修正/チェックのポイント

視覚や聴覚に障害のある利用者は、動画や音声情報を見逃したり聞き逃したりすることがあります。再度見直したり聞き直すことができると、より情報が正しく伝わります。

  • 音声、動画で提供される重要な情報には、再生、停止、早送り、巻き戻しなどのコントロールを提供する(プラグインで提供される場合は、それを利用してよい)。
  • バナー広告や、ワンポイント的な GIFアニメーションには、不要。

『富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 第2.0版』 © 2004 富士通株式会社

 
 
JIS関連項目

5.7 音
b)
音は,利用者が出力を制御できることが望ましい。
参考 利用者が,音量調整,再生,停止などを制御できるように,再生,停止,音量調整などの制御方法コントロールを提供する。プラグインで提供する場合は,それを用いてもよい

JIS X 8341-3:2004『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報機器における機器,ソフトウェア及びサービス-第三部:ウェブコンテンツ』(© 財団法人 日本規格協会)

 
 
解説

音声情報を提供する際には、可能なかぎり、再生開始、再生停止、ボリューム調整などの制御手段をユーザーに提供して、ユーザーが自分の意志で、音声の再生を開始したり、停止したり、あるいはボリュームの調整をしたりできるようにしてください。そういった制御ボタンのあるプラグイン(プレーヤー)を用いるのも方法の1つです。

また、Webページを読み込んだときに、音声が自動的に再生されると、以下のようなアクセシビリティ上の問題を引き起こします。

  • 視覚に障害のあるユーザーが音声ブラウザやスクリーンリーダーを使用しているとき、その音声読み上げソフトの音声とWebページで再生される音声とが重なってしまい、ユーザーが混乱してしまう
  • 視覚に障害がなくても、突然音声が再生されることで、ユーザーは驚いて混乱してしまう
  • 聴覚に障害のあるユーザーは、音声が再生されていることに気づかない
  • 聴覚に障害がなくても、音声出力をオフにしているときや周囲が騒がしい場所にいるときには、音声が再生されていることに気づかない

このような問題があることから、音声情報は自動的に再生されないようにするのがベストです。やむをえず、自動的に再生しなくてはならない場合は、再生と同時に画面上で音声が再生されていることを分かりやすく明示してください。可能であれば、ユーザーが音声の再生を停止できたり、ボリュームを調整できるような手段を提供するようにしてください。

 
 
JIS X 8341-3について

JIS X 8341-3 の内容は、以下のサイトにて規格番号「X8341-3」で検索して、規格票をご覧ください。

  • 閲覧:日本工業標準調査会(JISC)
    http://www.jisc.go.jp/
  • 購入:日本規格協会(JSA Web Store)
    http://www.webstore.jsa.or.jp/