規格外のmarquee要素でテキストを移動させています
JIS 5.1 a), 5.8 a); WCAG 7.3;
 
 
概要

Webページに、テキストをスクロールさせるmarquee要素があります。

 
 
修正/チェック方法

できるかぎり、アニメーション効果を用いないでください。テーブルレイアウト、あるいは、よりよい選択として、CSSのプロパティを用いて置き換えるようにしてください。

W3CのWCAG 1.0( http://www.w3.org/TR/WCAG10-HTML-TECHS/#style-textWeb Content Accessibility Guidelines 1.0 HTML 技術書)では、blink要素およびmarquee要素を使用しないことを推奨しています。

 
 
修正/チェックのポイント

ウェブコンテンツは、各種のブラウザやOS・支援技術(注)などとの連携によって利用者に提供されます。

広く一般に定められた規格や技術仕様(HTML文法など)に準拠することで、ウェブサイトを有効に利用することができます。

(注)支援技術
障害のある人が、IT機器などを利用できるようにする技術のことです。
音声ブラウザや画面拡大ソフト、キーボードエミュレータやジョイスティックマウスなどがあります。アシスティブテクノロジー(Assistive Technology)とも言います。

  • HTMLやCSSなど、W3C(World Wide Web Consortium)で検討している技術は、W3Cが公式に発表している正しい文法で記述する。 W3Cで廃棄予定または推奨していない技術は使用しない。

視覚に障害がある場合や、加齢などの原因で認知力などが低下してくるような場合には、明滅や自動スクロールなど、視覚的に変化する情報は把握しにくくなります。

  • 画面要素(文字、画像など)に、明滅や自動スクロールなどを使用することは避けることが望ましい。使用する場合は、なるべく遅くし、内容を把握しやすくするか、静止した状態での情報提供(テキストによる解説など)も行う。
  • 特に、<blink>タグ、<marquee>タグは使用しない。これらのタグはHTML4.01で規格外のため、使用しない。

『富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 第2.0版』 © 2004 富士通株式会社

 
 
JIS関連項目

5.1 規格及び仕様
a)
ウェブコンテンツは,関連する技術の規格及び仕様に則り,かつ,それらの文法に従って作成しなければならない。

5.8 速度
a)
変化又は移動する画像又はテキストは,その速度,色彩・輝度の変化などに注意して作成することが望ましい。

JIS X 8341-3:2004『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報機器における機器,ソフトウェア及びサービス-第三部:ウェブコンテンツ』(© 財団法人 日本規格協会)

 
 
解説

Webページ内のアニメーション的要素は、ユーザーがそのコンテンツを見たり読んだりするのにマイナスの影響を与えます。ユーザーは、最も重要なコンテンツへの集中力を奪われてしまうからです。

さらに、marquee要素を理解できないブラウザのユーザーには、意図したとおりの表現でページが提供されません。

Netscape Navigator と Opera 以外の多くのブラウザは、marquee要素をサポートしていません。何よりも、marquee要素は、HTML 3.2 や HTML 4.0 の仕様にはない規格外要素です。

 
 
JIS X 8341-3について

JIS X 8341-3 の内容は、以下のサイトにて規格番号「X8341-3」で検索して、規格票をご覧ください。

  • 閲覧:日本工業標準調査会(JISC)
    http://www.jisc.go.jp/
  • 購入:日本規格協会(JSA Web Store)
    http://www.webstore.jsa.or.jp/