コンテンツの読みやすさは確保されていますか?
JIS 5.2 a), 5.9 c); WCAG 14.1;
 
 
概要

一貫性のあるページレイアウト、分かりやすいグラフィック、そして理解しやすい言葉遣いは、すべてのユーザーのためになります。特に、認知障害のあるユーザー、あるいは文章を読むのが苦手なユーザーにとって、コンテンツを理解する助けとなります。

明解で簡潔な言葉を用いることは、効果的なコミュニケーションを促進します。文章になった情報にアクセスすることは、認知あるいは学習障害のある人にとっては、困難を伴うことがあります。明解で簡潔な言葉遣いは、手話でコミュニケーションをとる人たちも含めて、母国語の異なる人たちのためにもなります。

 
 
修正/チェック方法

Webページのテキストがすべてのユーザー、特に読解あるいは認知障害のあるユーザーにとって読みやすいことを確認してください。

 
 
修正/チェックのポイント

構造のための要素や属性と、表現のための要素や属性を切り分けて使用することにより、音声ブラウザなど、多様なブラウザの機能が利用できます。
音声ブラウザによっては、見出し( <h1>タグから <h6>タグ)を指定したテキストを読み上げる前に音をならし、見出しであることを示す場合があります。
しかし、文字の大きさ(<big>タグなど)だけで見出しを指定した場合、この効果を得ることができなくなります。

また、ボタンやチェックボックスなどを<form>タグで指定することにより、音声ブラウザによっては、データを入力すべき領域があることを教えてくれる場合もあります。
また、自分で作成したスタイルシートで、ホームページを参照している利用者もいます。構造のための要素や属性を正しく使用していない場合、利用者独自のスタイルシートが正しく適用されないことがあります。

外国語、専門用語、略語、社内用語などは、特定の人にしか理解することができません。一般的な用語に置き換えるか、注釈や解説を加えてください。

  • 以下のような、構造のためのタグは、文字表現だけの目的で用いないこと。
    • 見出し(<h1>タグから<h6>タグ)
      文字サイズの指定に使わない。
    • 引用(<q>タグ、<blockquote>タグ)
      インデントのために使わない。
    • リスト(<ul>タグ、<ol>タグ)
      インデントのために使わない。
    • 専門用語を最初に記述するとき、解説を括弧書きなどで記述する。

『富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 第2.0版』 © 2004 富士通株式会社

 
 
JIS関連項目

5.2 構造及び表示スタイル
a)
ウェブコンテンツは,見出し,段落,リストなどの要素を用いて文書の構造を規定しなければならない。

5.9 言語
c)
省略語,専門用語,流行語,俗語などの想定する利用者にとって理解しにくいと考えられる用語は,多用しないことが望ましい。使用するときは,初めて記載されるときに定義しなければならない。

JIS X 8341-3:2004『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報機器における機器,ソフトウェア及びサービス-第三部:ウェブコンテンツ』(© 財団法人 日本規格協会)

 
 
解説

以下に挙げるのは、あなたのサイトのコンテンツをより読みやすくするのに役立つ文章の書き方のヒントです。

  • 見出しおよびリンクのラベルを明解で正確な文言にする。例えば、音声読み上げを聞いているユーザーは、リンク部分だけを拾い読みして、リンクのラベルだけを聞いていることがあります。
  • 文章あるいは段落の要旨を、文章あるいは段落の冒頭に記述する("フロント・ローディング"とよばれるテクニック)。これは、斜め読みをしているユーザーや音声読み上げソフトを使用しているユーザーのためになります。
  • 各段落のトピックは1つに限定する。
  • 用語定義をしていないかぎりは、俗語、専門用語、および一般的な語の特別な意味での使用を避ける。
  • 日常生活で一般的に使われている用語を用いる。
 
 
JIS X 8341-3について

JIS X 8341-3 の内容は、以下のサイトにて規格番号「X8341-3」で検索して、規格票をご覧ください。

  • 閲覧:日本工業標準調査会(JISC)
    http://www.jisc.go.jp/
  • 購入:日本規格協会(JSA Web Store)
    http://www.webstore.jsa.or.jp/