見出しのマークアップ(H1, H2, ... H6)がされていません
JIS 5.2 a); WCAG 3.5;
 
 
概要

Webページにh要素(h1, h2, ... h6)がありません。

 
 
修正/チェック方法

ドキュメントに1つあるいはそれ以上のh要素を付加してください。階層レベルに関しては、例えば、h1の次はh2というようにして、h1からh2をとばしてh3というようにしないでください。

どの見出しが必要かを判断するクイックテストの方法は、そのWebページの文書のアウトラインを作成することです。まず、そのWebページの大見出しをh1でマークアップして、その次のレベルの中見出しをh2でマークアップします。h2は同じ階層レベルの中見出しが他にもあれば複数マークアップすることができます。もし、h2のセクションの中に、さらに次のレベルの小見出しがあれば、h3でマークアップしてください。

もし、h要素でマークアップした箇所のブラウザでのデフォルト表示が気に入らない場合は、CSSのclassを指定して好みのプロパティを設定してください。そして、同じレベルの見出しには必ずそのclassを指定するようにします。

 
 
修正/チェックのポイント

構造のための要素や属性と、表現のための要素や属性を切り分けて使用することにより、音声ブラウザなど、多様なブラウザの機能が利用できます。
音声ブラウザによっては、見出し( <h1>タグから <h6>タグ)を指定したテキストを読み上げる前に音をならし、見出しであることを示す場合があります。
しかし、文字の大きさ(<big>タグなど)だけで見出しを指定した場合、この効果を得ることができなくなります。

また、自分で作成したスタイルシートで、ホームページを参照している利用者もいます。構造のための要素や属性を正しく使用していない場合、利用者独自のスタイルシートが正しく適用されないことがあります。

  • 以下のような、構造のためのタグは、文字表現だけの目的で用いないこと。
    • 見出し(<h1>タグから<h6>タグ)
      文字サイズの指定に使わない。
    • 引用(<q>タグ、<blockquote>タグ)
      インデントのために使わない。
    • リスト(<ul>タグ、<ol>タグ)
      インデントのために使わない。

『富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 第2.0版』 © 2004 富士通株式会社

 
 
JIS関連項目

5.2 構造及び表示スタイル
a)
ウェブコンテンツは,見出し,段落,リストなどの要素を用いて文書の構造を規定しなければならない。
参考 文書の構造は,音声ブラウザなどが利用者に適切な音声情報を提供するために不可欠な情報である。
見出しは,フォントサイズなどの違いで表現せず,見出し要素を用いて表現する。

JIS X 8341-3:2004『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報機器における機器,ソフトウェア及びサービス-第三部:ウェブコンテンツ』(© 財団法人 日本規格協会)

 
 
解説

Webページのコンテンツの異なるセクションに階層構造を持たせるために、見出しを示すh要素(h1, h2, ... h6)を用いてください。

そうすることで、Webサイトの訪問者はドキュメントのアウトラインを拾い読みすることができ、テキストをすべて読まなくても最も関心のある部分を見つけることが容易になります。

加えて、音声ブラウザやスクリーンリーダーの中には、ドキュメントにあるすべての見出しのリストを生成して、任意の見出し部分へダイレクトに移動できるものがあります。これは、例えば、視覚障害や全盲のユーザー、あるいは電話サービス(ボイスブラウザ)でWebサイトにアクセスしているユーザーのように、そのドキュメントを見ることのできないユーザーにはとてもメリットがあります。ユーザーは、自分の最も関心のあるコンテンツにたどり着くまで、そのページにあるテキストを最初から最後まで聞かずにすむからです。

 
 
JIS X 8341-3について

JIS X 8341-3 の内容は、以下のサイトにて規格番号「X8341-3」で検索して、規格票をご覧ください。

  • 閲覧:日本工業標準調査会(JISC)
    http://www.jisc.go.jp/
  • 購入:日本規格協会(JSA Web Store)
    http://www.webstore.jsa.or.jp/