色だけで情報を伝えていませんか?
JIS 5.5 a); WCAG 2.1; 508条 (c)
 
 
概要

Webページで色が使用されていますが、このページの情報が色だけで伝えられていないことを確認してください。

 
 
修正/チェック方法

たとえ、ユーザーが特定の色を識別できなくても、あるいは複数の色の違いを見分けることができなくても、ユーザーがそのWebページのコンテンツを理解して、ナビゲーションできることを確認してください。

以下にWebページの簡単なチェック方法を挙げます。

  • Webページをモノクロ画面で見て、コンテンツを利用してみる
  • Webページをモノクロで印刷してみる
  • Webページを読んで、"赤いボタンを押してください" というような表現を探す
 
 
修正/チェックのポイント

色覚障害のある利用者や、高齢者(加齢による視覚の変化がある人)は、色の違いを把握することが困難な場合があります。
また、ページを白黒印刷した場合に、色の違いを把握することが困難な場合があります。

  • 色だけでなく、形、文字も変化させ、情報を識別できるようにする。
  • 文章中で、色名を使用する場合も注意することが望ましい。
    例えば、「赤色のボタンではなく、緑色のボタンを使用してください。」など、色名だけの表現は避ける。「赤色の[中止]ボタンではなく、緑色の[更新]ボタンを選択してください。」など、色名以外の表現を加える。
  • フォームなどで、必須入力項目を示すために赤文字や太字などを使用する場合は、別途、必須入力項目であることを、テキストで明示する。

『富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 第2.0版』 © 2004 富士通株式会社

 
 
JIS関連項目

5.5 色及び形
a)
ウェブコンテンツの内容を理解・操作するのに必要な情報は,色だけに依存して提供してはならない。
参考 視覚障害がある場合,色だけで情報を提供していると提供されていることが認識できず,その内容も理解できない。また,色覚障害がある場合,色だけで情報を提供していると提供されていることが認識できなかったり,その内容が理解できなかったりする可能性がある。ただし,色による情報提供は,認知又は記憶に障害がある場合は有効な手段なので,色及びテキスト情報を併用する。利用者の色覚特性,照明環境などによって,色の違いを区別しにくい場合がある。
例1. 入力フォーム中で“赤は必須項目”と指示する場合には,その必須項目を赤い文字にするだけでなくテキストで“(必須)”を加える。

JIS X 8341-3:2004『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報機器における機器,ソフトウェア及びサービス-第三部:ウェブコンテンツ』(© 財団法人 日本規格協会)

 
 
解説

ユーザーが色を識別できないシチュエーションは多くあります。例えば、以下のようなケースが挙げられます。

  • Webページでの背景色あるいは前景色の選択に問題がある
  • ユーザーがテキストブラウザを使用している
  • ユーザーが音声ブラウザの読み上げを聞いている
  • ユーザーがPDAあるいは携帯電話のモノクロ画面を使用している
  • ユーザーの色覚に特性がある
  • ユーザーの視力が弱い、あるいはユーザーが全盲である

Webページ上の色は、装飾あるいはグラフィック上の効果のためだけに用いられるべきです。情報を伝達するために色だけを単独で用いるべきではありません。

 
 
JIS X 8341-3について

JIS X 8341-3 の内容は、以下のサイトにて規格番号「X8341-3」で検索して、規格票をご覧ください。

  • 閲覧:日本工業標準調査会(JISC)
    http://www.jisc.go.jp/
  • 購入:日本規格協会(JSA Web Store)
    http://www.webstore.jsa.or.jp/