リンク先が新しいウィンドウで開くことを予告していますか?
WAI / WCAG 1.0 優先度2 チェックポイント 10.1
 
 
概要

Webページに、リンク先を新しいウィンドウで開くリンクがあります(target属性、あるいは javascript:window.open() 命令)。もし、新しいウィンドウで開く場合は、事前にユーザーにそのことを知らせていることを確認してください。もし、ユーザーに何の予告もしていない場合は、このWebページはこのチェックポイントの要件を満たせていないことになります。

 
 
チェック方法

できるかぎり、新しいウィンドウを開かないようにして下さい。

もし、どうしても新しいウィンドウを開く場合には、ユーザーに特定のリンクあるいはボタンをクリックすると新しいウィンドウが開くことを知らせてください。例えば、"(新しいウィンドウで開く)" とリンクのラベルの中に書き加えるか、あるいは、リンクのtitle属性に記述してください。もしくは、サイト全体で一貫して "新しいウィンドウで開く" ことを意味する小さいアイコンを使用して、そのアイコンをリンクのラベルの中に置くのも方法の一つです(alt属性値として、"新しいウィンドウで開く" と記述してください)。また、 Qbullets [http://www.matterform.com/index.php?page=/qbullets/index.php] (アニメーションGIFは避けるべきです)を参考にしてください。

すべてのケースにおいて、新しいウィンドウを閉じるための "このウィンドウを閉じる" ボタン、あるいは元のウィンドウに戻るための "前のページに戻る" ボタンを新しく開いたウィンドウのWebページで忘れずに提供してください。

 
 
解説

ユーザーがリンクあるいはボタンをクリックすると、ブラウザが新しいウィンドウを開く場合、ユーザーの閲覧環境が変化します。

  • 新しいウィンドウではブラウザ自体のある機能が変更されていることがある。例えば、ブラウザのボタンが完全に非表示になっていたり、新しいウィンドウのサイズや位置が元のウィンドウと異なったり、あるいは、新しいウィンドウが元のウィンドウの前面で開いたり背面で開いたりする。
  • ユーザーの障害の有無に関係なく、新しいウィンドウには "履歴"(および、前のページ)がないので、ブラウザの "戻る" ボタンがアクティブになっていません。

この2つの要因は、同時に起こることもありますが、特に障害者ユーザー、あるいは支援技術を使用しているユーザーが直面する問題を大きくします。例えば、もし、新しいウィンドウが元のウィンドウの前面に同じサイズで同じ位置に開いたとしたら、ユーザーには同じウィンドウのように見えるでしょう。ユーザーは、ブラウザのバグが原因で "戻る" ボタンがアクティブになっていないと勘違いしたり(ブラウザを再起動するかもしれません)、Webサイトのバグだと勘違いしたりするでしょう(そして、他のサイトへ行ってしまうかもしれません)。

視覚障害のあるユーザーにとっては、なおいっそう深刻です。スクリーンリーダーは、ユーザーに新しいウィンドウが開いたことを知らせることができません。画面拡大ソフトのユーザーは、画面のどこかで新しいウィンドウが開いたことにすら気づかないかもしれませんし、どこに新しいウィンドウが開いているのかを探すのにとても苦労するかもしれません。

このような理由から、ユーザーに新しいウィンドウが開くことを事前に知らせることはきわめて重要です。ユーザーには、新しいウィンドウが開く前に、はっきりとそのことを知らせなくてはなりません。

どんな場合においても、新しいウィンドウには、ユーザーが元のウィンドウに戻る(あるいは、新しいウィンドウを閉じる)ことのできるボタンを提供すべきです。こういったボタンは、もし新しいウィンドウでブラウザの基本操作ボタンが使えなくてもユーザーは利用することができます。