スクリプトの代替手段(noscript要素)がありません
JIS 5.4 e); WCAG 1.1; 508条 (a)
 
 
概要

script要素に対応する有効なnoscript要素がありません。

  • noscript要素は、script要素の直後にあるべきです。
  • noscript要素のコンテンツは空ではいけません。あらゆる(X)HTMLタグを含めることが可能です。

特に注意が必要で、noscriptタグを用いるとよいスクリプトが2種類あります。

  • ロールオーバー:もし、ユーザーがマウスカーソルをイメージ上で動かしたときに、スクリプトが画面上のイメージを変化させて、そのスクリプトが(スクリーンリーダーで読み上げ可能なテキストで)ページのコンテンツを変化させたことを示していない場合は、そのスクリプトをアクセシブルにすることはできません。
  • キーボードのみで操作できないスクリプト:もし、スクリプトを起動するイベントがキーボード操作に反応しない場合は、そのスクリプトをアクセシブルにすることはできません。
 
 
修正/チェック方法

スクリプトで提供している情報が、支援技術で読み上げ可能なテキストでも提供されているかどうかをチェックしてください。

スクリプトがアクセシブルかどうかをチェックする最も簡単な方法は、スクリプトと画像表示を一時的にオフにしたブラウザでそのWebページを見てみることです(スクリプトおよび画像表示をオフにする方法は、ブラウザのヘルプ文書を参照してください)。
もう一つの方法は、マウスを使わずに(TabキーでWebページ内の要素間を移動して、キーボードだけで操作して)、そのWebページを操作してみることです。こうすることで、インタラクションにおいてスクリプトが実際に果たしている役割を理解することができます。

もし問題があれば、script要素にnoscript要素を付加することを検討して下さい。noscript要素のコンテンツでは、あらゆる(X)HTMLタグを使用することができます。そのコンテンツにより、スクリプトを実行できないユーザーがスクリプトを実行できるユーザーと同等にその機能を利用できるようにしてください。特に、リンクを含めて同じコンテンツおよび同じインタラクションが利用できるようにすべきです。

 
 
修正/チェックのポイント

ブラウザで、特定の技術やプラグインを使用しないように設定している利用者がいます。また、特定の技術やプラグインがまったく利用できないブラウザも存在します。
このような場合、特定の技術やプラグインのアクセシビリティに配慮しても、コンテンツの内容を参照することはできません。

  • JavaScriptの場合は、<noscript>タグに代替情報を記述する。
  • プラグインは、<object>タグと</object>タグの間に代替情報を記述する。
  • プラグインを<embed>タグで指定する場合は<noembed>タグに代替情報を記述する。
    (ただし、<embed>タグは、HTML4.01で規格外のため、使用しないことが望ましい。)
  • Javaアプレットで、<applet>タグを使用する場合は、テキストで同等の情報を提供することが望ましい。
    (<applet>タグと</applet>タグの間に代替情報を記述できるが、音声ブラウザや多くのブラウザで正しく表示できないことが多い。
    また、<applet>タグは、W3Cで推奨していないため、使用しないことが望ましい。)
  • 特に、特定の技術やプラグインがアクセシブルでない場合、同等の情報を持つテキストページを用意し、通常ページと同じタイミングで更新することが望ましい。

『富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 第2.0版』 © 2004 富士通株式会社

 
 
JIS関連項目

5.4 非テキスト情報
e)
アクセス可能ではないオブジェクト,プログラムなどには,利用者がその内容を的確に理解し操作できるようにテキストなどの代替情報を提供しなければならない。また,アクセス可能なオブジェクト又はプログラムに対しても,内容を説明するテキストなどを提供することが望ましい。

JIS X 8341-3:2004『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報機器における機器,ソフトウェア及びサービス-第三部:ウェブコンテンツ』(© 財団法人 日本規格協会)

 
 
解説

script要素に代替テキストを提供できる唯一の手段がnoscript要素です。この要素のコンテンツは、スクリプトが動作しないときにレンダリングされます。

noscript要素を用いることで、コンテンツ制作者はスクリプトが実行されない際の代替コンテンツを提供することができます。noscript要素のコンテンツは、以下に挙げるようなケースで、スクリプトをサポートしているユーザーエージェントにレンダリングされます。

  • ブラウザの設定でスクリプトがオフになっている。
  • ブラウザがそのスクリプト言語をサポートしていない。

スクリーンリーダーと音声ブラウザのユーザーは、Webページのグラフィカルなインターフェースを変化させるスクリプトを利用することはできません。

マウスあるいはジョイスティックを使用していないユーザーは、ウィンドウ、ダイアログ、あるいはメニューを開くスクリプトを利用することはできないでしょう。

スクリプトがブラウザで動作しないケースが他にも多くあることに注意してください。将来はそういったケースがますます増えてきます。例えば、以下のようなことです。

  • スクリプトを実行できないPDAや携帯電話
  • 特定の言語で記述されたスクリプトを実行できない多用なOS(Windows、MacOS、Linux)上のブラウザ。例えば、VBスクリプトはLinuxあるいはPDA上のNetscapeでは動作しないでしょう。
  • セキュリティ上の理由でJavaScriptをオフにしているグラフィカルなブラウザのユーザー
 
 
JIS X 8341-3について

JIS X 8341-3 の内容は、以下のサイトにて規格番号「X8341-3」で検索して、規格票をご覧ください。

  • 閲覧:日本工業標準調査会(JISC)
    http://www.jisc.go.jp/
  • 購入:日本規格協会(JSA Web Store)
    http://www.webstore.jsa.or.jp/