イメージの代替テキストは適切ですか?
JIS 5.4 a); WCAG 1.1; 508条 (a)
 
 
概要

そのイメージは装飾だけの目的で使われているわけではなさそうです(すなわち、スペーサーではありません)。同等の役割を果たすテキストの説明が必要です。

 
 
修正/チェック方法

そのalt属性値の代替テキストがイメージの内容を伝えているかどうかチェックしてください。

alt属性値の代替テキストは、イメージと同じ情報を伝えて、Webページにおけるイメージの役割を説明する必要があります。なぜそこにあるのか、何を表現しているのか、どのように情報を提供しているのか、といった説明です。電話でその説明を聞くことを想像するとよいでしょう。

もし、そのイメージがリンクで、あわせてテキストリンクも提供している場合は、img要素のalt属性値は空("")にしてください。その際、テキストリンクがイメージの代替テキストの役割を果たしている必要があります。

もしイメージが隠しリンクとして使用されているならば、そのalt属性値はリンク先を説明している必要があります。

もしイメージがWebページで装飾だけを目的にしている(スペーサーやビュレットなど)場合は、alt属性値を空("")あるいはスペースのみ(" ")とすべきです。

 
 
修正/チェックのポイント

ブラウザで画像を非表示に設定している利用者は、画像の代替情報(注)がない場合、画像の内容を把握することができません。
また、音声ブラウザは、画像( <img>タグ)の代わりに、alt属性の内容を読み上げます。
alt属性が指定されていないと、画像の内容を把握できない場合があります。

また、リンクのある画像の場合、alt属性が指定されていないと、音声ブラウザは、リンク先の URL を読み上げます。
画像の内容を的確に示す alt属性を指定してください。

(注)画像の代替情報
画像の代わりに、テキストや音声などで、同じ内容を記述した情報のこと。
alt属性で指定したテキストや、本文中に記述された画像を説明するテキストも、これに該当する。

  • 画像にリンクがない場合
    • alt属性で画像の内容を記述する。
    • 意味を持たない画像(箇条書きのポインタなど)や、テキストが併記されている画像には、alt=""と記述する( ""の中には何も入力しない)。特に、次のような言葉は alt属性に記述しない。
      イメージ、image、スペース、space、spacer、ライン、line、バナー、banner、figure、*、#、※
  • 画像にリンクがある場合
    • alt属性でリンク先を記述する。
    • リンク先を alt属性として記述することで、画像の説明が不要となる場合は、画像の説明を省略してよい。
    • 画像の内容を詳細に解説する必要がある場合は、リンク先は alt属性に記述し、画像の解説は画像と同じHTML内にテキストで記述する。
  • その他
    • 画像のボタン(imageタイプの<input>タグに type="image" を使用する場合)にも、alt属性を指定する。

『富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 第2.0版』 © 2004 富士通株式会社

 
 
JIS関連項目

5.4 非テキスト情報
a)
画像には,利用者が画像の内容を的確に理解できるようにテキストなどの代替情報を提供しなければならない。
例1. HTML では,画像にalt 属性をつける。
参考 視覚障害のため音声ブラウザなどを用い音声によって情報を得ている場合がある。その場合,音声ブラウザなどは,画像を音声化できないので,代わりにテキストなどの代替情報を読み上げる。したがって,代替情報がないと利用者は内容を理解することができない。また,テキストブラウザの利用者など,画像を表示しないでウェブコンテンツを閲覧しているときも,代替情報がないと利用者は内容を理解することができない。

JIS X 8341-3:2004『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報機器における機器,ソフトウェア及びサービス-第三部:ウェブコンテンツ』(© 財団法人 日本規格協会)

 
 
解説

alt属性値はイメージが伝えている情報を説明するもので、イメージを表示するブラウザ以外を使用しているユーザーがWebページを利用することを可能にします。

alt属性値の代替テキストは、イメージと同じ情報を伝えて、Webページにおけるイメージの役割を説明する必要があります。なぜそこにあるのか、何を表現しているのか、どのように情報を提供しているのか、といった説明です。

隠しリンクで使用しているイメージ(通常は、a要素でマークアップされたスペーサー・イメージ)のalt属性値は、リンク先を説明する必要があります。alt属性値の内容は、隠しリンクの説明としてイメージを表示しないブラウザが使用します。(隠しリンクは、508条の1194.22(o) "繰り返されるナビゲーション部分のリンクをユーザーがスキップできる手段を提供しなければならない。" および WCAG 1.0 のチェックポイント 13.6 を満たすために用いるテクニックです。)

イメージの代替テキストを提供することは、今日では、何らかの理由でグラフィック表現を利用できないユーザーが多いのでとても重要です。例えば、携帯電話、PDA、車載ブラウザなどのユーザーが挙げられます。

 
 
JIS X 8341-3について

JIS X 8341-3 の内容は、以下のサイトにて規格番号「X8341-3」で検索して、規格票をご覧ください。

  • 閲覧:日本工業標準調査会(JISC)
    http://www.jisc.go.jp/
  • 購入:日本規格協会(JSA Web Store)
    http://www.webstore.jsa.or.jp/