文章だけで情報を伝えていませんか?
JIS 5.9 f); WCAG 14.2;
 
 
概要

Webページのコンテンツが、文章だけではなく、図(チャート、ダイアグラムなど)、イラスト、アニメーション、あるいは音声などでもあわせて提供されていることを確認してください。

 
 
修正/チェック方法

Webページのコンテンツに文章がある場合、ユーザーがその内容をより理解しやすいように、可能なかぎり、図(チャート、ダイアグラムなど)、イラスト、アニメーション、あるいは音声などでもあわせて提供されていることを確認してください。

 
 
修正/チェックのポイント

初心者、在日外国人、知的障害のある人など、文章だけでは、すぐに内容を理解できない利用者がいます。

また、多くの利用者は、図・動画・音声などを適切に組み合わせることで、より具体的な内容を簡単に理解できる場合があります。

  • 図・動画・音声などを利用し、コンテンツの内容を、より具体的、かつ直感的に理解できるようにする。
    例えば、製品の概観は、文章で説明するだけでなく、写真を組み合わせて表現する。
  • 図・動画・音声などを利用する場合は、文章を読まなくても、内容を正しく把握できるようにすることが望ましい。
    例えば、図記号や絵文字(アイコン)は、できるだけ意味を推測しやすくする。
  • 図・動画・音声などを利用する場合は、この指針の他の項目について、充分な配慮を行う。

『富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 第2.0版』 © 2004 富士通株式会社

 
 
JIS関連項目

5.9 言語
f)
ウェブコンテンツは,文章だけではなく,分かりやすい図記号,イラストレーション,音声などを合わせて用いることが望ましい。
参考 知的障害などによって,ウェブコンテンツの文章を理解することが難しい人にとって,分かりやすい絵,シンボル,音声などの付加的情報がウェブコンテンツの内容を理解・操作に有効な場合がある。

JIS X 8341-3:2004『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報機器における機器,ソフトウェア及びサービス-第三部:ウェブコンテンツ』(© 財団法人 日本規格協会)

 
 
解説

認知障害や学習障害などのあるユーザーは、文章を読んだり、その内容を理解したりするのが困難なことが少なくありません。文章で説明されている内容を視覚的により分かりやすく表現したチャート図、フロー図、あるいはダイアグラムを用いたり、あわせてイラストやアニメーション、写真などを用いたりすることで、そういったユーザーにとってはより理解しやすくなることがあります。

また、特にそのような障害のない場合でも、ユーザーが急いでいるときやプレッシャーを感じているときなどは、ある意味では、誰もが認知障害の状態にあるといえます。例えば、とても騒がしくて混雑した空港で、自分の後ろに長い行列ができているキオスク端末で航空券のeチケットを購入している時、たいていの人はチケットを購入することに十分に集中できないでしょう。ユーザーがそのような状況に置かれているときは、文章だけでなく、あわせてそれ以外の方法でも分かりやすく情報が提供されているコンテンツのほうが、作業を効率よく進めることができるかもしれません。

概して、ユーザーはモニタ画面に表示されている文字をじっくりと読もうとはしないものです。Webページが画面に表示されたときに、テキストだけの無味乾燥なページよりは、図やイラスト、写真などのビジュアル的な要素があるページのほうが第一印象もよりよいでしょう。もちろん、それらはテキストの文章で説明していることを視覚的により分かりやすく表現したものであるべきですが、情報を文章だけでなく、そういったプラスアルファの要素でも伝えることはすべてのユーザーにとってメリットがあるともいえます。

ただし、だからといって文章ではなく、図やイラスト、写真、あるいは音声だけで情報を伝えてしまうと、それらが JIS X 8341-3 の関連する項目に沿ったアクセシブルなものでなければ、逆にユーザーにとってはバリアになってしまうので注意してください。

 
 
JIS X 8341-3について

JIS X 8341-3 の内容は、以下のサイトにて規格番号「X8341-3」で検索して、規格票をご覧ください。

  • 閲覧:日本工業標準調査会(JISC)
    http://www.jisc.go.jp/
  • 購入:日本規格協会(JSA Web Store)
    http://www.webstore.jsa.or.jp/