GlobalNN 2 IE 3 ECMA 1

Global オブジェクトは、自動的に作成され、JavaScript に対応しているブラウザのすべてのウィンドウまたはフレームに常駐します。このオブジェクトを明示的に参照することはありませんが、そのプロパティとメソッドを参照する必要はあります。たとえば、parseInt() メソッドまたは parseFloat() メソッドを使用して文字列を数値に変換します。プロパティは定数として機能するので、評価するとプロパティ自体になります。グローバルスコープを持つオブジェクトとして、そのメンバーはページ全体のスクリプトステートメントに公開されます。

 
プロパティ
 
InfinityNaNundefined
 
メソッド
 
atob()btoa()decodeURI()
decodeURIComponent()encodeURI()encodeURIComponent()
escape()eval()GetObject()
isFinite()isNaN()parseInt()
parseFloat()ScriptEngine()ScriptEngineBuildVersion()
ScriptEngineMajorVersion()ScriptEngineMinorVersion()unescape()
unwatch()watch()
 
InfinityNN 4 IE 4 ECMA 1

読み取り専用

数値の正の無限大、または- 演算子がある場合は負の無限大を示します。理論上の無限大ではなく、事実上の無限大です。JavaScript では、Number.MIN_VALUE 未満の値と Number.MAX_VALUE より大きい数値はすべて無限大です。

 
 
var authorEgo = Infinity;
 

Infinity

 
NaNNN 3 IE 4 ECMA 1

読み取り専用

数値ではない値です。数値演算でオペランドに問題があって数値以外の結果が出た場合に、JavaScript はこの値を返します。値が数でないことをテストするには、このプロパティ値と比較するのではなく、isNaN() グローバル関数を使用します。このグローバルプロパティは、Number.NaN を評価したときの値です。

 

NaN

 
undefinedNN 6 IE 5.5 (Win) ECMA 2

読み取り専用

undefined データタイプは、当初から ECMAScript とブラウザにありましたが、Global オブジェクトの正式なプロパティになったのは最近です。最近の互換性評価に関わらず、このデータタイプは古いブラウザで正常に使用できます。データタイプは、typeof 演算子を使用して文字列形式でアクセスします。

 

undefined

 
decodeURI()NN 6 IE 5.5 (Win) ECMA 3

decodeURI("encodedURI")

パラメータ内のほとんどの URI エンコードされた値を元の記号に戻して文字列で返します。encodeURI() メソッドを使用してエンコード可能なエスケープ (エンコード) 文字だけを対象とします。

 
戻り値

文字列

 
パラメータ
 
  • encodedURI
      エンコードされた相対 URI または絶対 URI を含む文字列
 
atob()、btoa()NN 4 IE なし ECMA なし

atob("base64EncodedData")、btoa("stringToBeEncoded")

これらのメソッドを使用すると、任意の文字列を、米国 ASCII 文字セットの 65 文字のサブセットに変換できます。これには、バイナリデータや Unicode 値を表す文字などの文字列も含みます。base64 とよばれるこの形式でエンコードすると、任意のデータを初歩的な送信メカニズムでも伝達することができます。エンコードとデコードの変換の原理と内部メカニズムについては、IETF (Internet Engineering Task Force) の RFC 1521 (http://www.ietf.org/rfc/rfc2045.txt) を参照してください。

 

文字列データを base64 形式にエンコードするには、btoa() メソッドを使用します。エンコードされたデータは、ASCII 文字 a ~ z、A ~ Z、0 ~ 9、および /、+、= の 3 つの記号から構成されます。base64 形式にエンコードされたデータをデコードするには、atob() メソッドを使用します。

 
戻り値

文字列

 
パラメータ
 
  • base64EncodedData
      base64 のデータを含む文字列。クライアントでエンコードされたか、独自のエンコードを行うサーバーからのドキュメントの一部として受け取ったものです。
  • stringToBeEncoded
      内部または外部で使用するために base64 にエンコードする文字列。たとえば、エンコードした値を input 要素の value プロパティに割り当て、base64 のデータを受信するように設計されたサーバープロセスに送信できます。
 
decodeURIComponent()NN 6 IE 5.5 (Win) ECMA 3

decodeURIComponent("encodedURIComponent")

パラメータ内のすべての URI エンコードされた値を元の記号に戻して文字列で返します。プロトコルを除く URI のデータ部分に使用します。

 
戻り値

文字列

 
パラメータ
 
  • encodedURIComponent
      エンコードされた相対 URI または絶対 URI、またはその一部を含む文字列
 
encodeURI()NN 6 IE 5.5 (Win) ECMA 3

encodeURI("URIString")

パラメータ内の URI エンコード可能なほとんどの値をエスケープ文字に変換した文字列を返します。たとえば、スペース文字は %20 に変換されます。このメソッドでは、以下の文字は変換から除外されます。

;  /  ?  :  @ &  =  +  $  ,  # 
 
;  /  ?  :  @  &  =  +  $  ,  #
 

上記の文字はそれ自体が有効な URI 文字列であり、変換すると URI が無効になるおそれがあります。

 
戻り値

文字列

 
パラメータ
 
  • URIString
      プレーンテキストの相対 URI または絶対 URI を含む文字列
 
encodeURIComponent()NN 6 IE 5.5 (Win) ECMA 3

encodeURIComponent("URIComponentString")

ラテン文字セットの AZ (大文字と小文字の両方)、数値 09、および URI で有効な記号 (-_.!~*()'スペース) 以外のすべての文字をエスケープ文字に変換した文字列を返します。エスケープ文字は、% 記号の後に文字の Unicode 値の 16 進数が続きます。プロトコルを除く URI のデータ部分に使用します。

 
戻り値

文字列

 
パラメータ
 
  • URIComponentString
      プレーンテキストの相対 URI または絶対 URI、またはその一部を含む文字列
 
escape()NN 2 IE 3 ECMA |1|

escape("string"[, 1])

関数にパラメータとして渡された文字列の URL エンコードされたものを返します。URL エンコーディングは、*、_、+、-、.、/ の各記号、および IE では @ も除き、英数字以外のほとんどの文字を 16 進値に変換します。たとえばスペースは %20 に変換されます。URL エンコードされた文字列では、通常プラス符号は変換されません。プラス符号は検索文字列の区切り文字として使用されます。プラス符号をエンコードする必要がある場合、Navigator 4 では 2 番目のパラメータに 1 を指定してプラス符号の変換を有効に設定できます。Windows 版 IE 5.5 と Netscape 6 では、このメソッドの代わりに、encodeURI() メソッドと encodeURIComponent() メソッドが採用されています。このメソッドは、ECMA 3 仕様からは削除されています。

 
戻り値

文字列

 
パラメータ
 
  • string
      あらゆる文字列値
 
eval()NN 2 IE 3 ECMA 1

eval("string")

関数のパラメータで文字列として記述されたオブジェクトへのオブジェクト参照を返します。たとえば、フォームに entry1entry2entry3 ... という一連のテキストフィールドがある場合、eval() 関数を使って次のようにテキストフィールドの名前を示す文字列をオブジェクト参照に変換すれば、for ループですべての項目を順次に処理できます。

for (var i = 1; i<=5; i++) {
    oneField = eval("document.forms[0].entry" + i);
    oneValue = oneField.value;
    ...
} 
 
for (var i = 1; i <=5; i++) {
    oneField = eval("document.forms[0].entry" + i);
    oneValue = oneField.value;
    ...
}
 

eval() メソッドは、おそらく JavaScript 言語で最も効率が悪く、パフォーマンスが低いメソッドです。文字列 ID または名前だけからドキュメントツリーのオブジェクトを参照する、より効率的な方法は多数あります。たとえば、document.getElementById() や、古いブラウザでは document.formsdocument.images、および document.formRef.elements の各配列の名前付きインデックスを使用できます。

 
戻り値

オブジェクト参照

 
パラメータ
 
  • string
      オブジェクト参照を示す文字列。
 
GetObject()NN なし IE 5 (Win) ECMA なし

GetObject("localPathName"[, appName.objectType])

スクリプトがパス名を知っているクライアントマシンをホストとする ActiveX オブジェクトへの参照を返します。これは、ActiveXObject のインスタンスを作成する別の方法です。コントロールのパス名に加えて、開くデータファイルの名前や、コントロールのアプリケーションを指定できます。localPathName パラメータに感嘆符とファイル名を付加します。ActiveX オブジェクト (オートメーションオブジェクト) 呼び出しの詳細については、http://msdn.microsoft.com/scripting/jscript/doc/jsobjActiveXObject.htm を参照してください。

 
戻り値

オブジェクト参照

 
パラメータ
 
  • localPathName
      オートメーションオブジェクト (ボリュームも含む) への絶対パス名を含む文字列
  • appName.objectType
      最初のパラメータでパスを指定するオートメーションオブジェクトでサポートされている特定のアプリケーションとオブジェクトのタイプを参照する一般的な構文
 
isFinite()NN 4 IE 4 ECMA 1

isFinite(expression)

パラメータとして渡された数値が Number.MIN_VALUENumber.MAX_VALUE の範囲内である場合、true のブール値を返します。この関数にパラメータとして文字列を渡すと、false を返します。

 
戻り値

truefalse のブール値

 
パラメータ
 
  • expression
      JavaScript で有効な式
 
isNaN()NN 2 IE 3 ECMA 1

isNaN(expression)

パラメータとして渡された表現が数値でない場合、true のブール値を返します。結果が NaN になる表現の場合、isNaN() メソッドは true を返します。これには、たとえば数値から始まらない文字列に対して parseInt() を実行する場合が該当します。

 
戻り値

truefalse のブール値

 
パラメータ
 
  • expression
      JavaScript で有効な式
 
parseInt()NN 2 IE 3 ECMA 1

parseInt("string "[, radix])

パラメータとして渡された文字列に含まれる数字を 8 進数または 10 進数の整数値に変換して返します。渡す文字列の 1 文字目が数字でない場合、NaN が返されます。文字列が数字で始まっていて、途中から数字以外の文字に変わる場合やスペースが含まれる場合は、数字以外の文字またはスペースまでの数字のみが整数に変換されます。したがって、

parseInt(navigator.appVersion)
 
parseInt(navigator.appVersion)
 

という表現を使用して、このプロパティから返される長い文字列の先頭にあるバージョン番号だけを取得できます。

 

オプションのパラメータ radix を使用して、関数に渡される数字の基数を指定できます。0 で始まる数字の文字列は通常 8 進数として処理されるため、関数が間違った結果を返す場合があります。したがって parseInt() 関数で 10 進数のみを扱う場合には、radix で基数を 10 に指定することをお勧めします。

 
戻り値

整数値

 
パラメータ
 
  • string
      数字で始まる文字列
  • radix
      パラメータとして渡す文字列の基数を表す整数 (2、8、10、16 など)
 
parseFloat()NN 2 IE 3 ECMA 1

parseFloat(string)

パラメータとして渡された文字列に含まれる数字を整数または浮動小数点数に変換して返します。渡す文字列の 1 文字目が数字でない場合、NaN が返されます。文字列が数字で始まっていて、途中から数字以外の文字に変わる場合、先頭の数字のみが整数に変換されます。したがって、

parseFloat(navigator.appVersion)
 
parseFloat(navigator.appVersion)
 

という表現を使用して、このプロパティから返される長い文字列の先頭にあるバージョン番号 (たとえば 4.03) だけを取得できます。

 

変換した値の小数点以下がすべて 0 の場合は、整数値が返されます。小数点以下が 0 でない場合のみ、浮動小数点数が返されます。

 
戻り値

数値

 
パラメータ
 
  • string
      数字で始まる文字列
 
ScriptEngine()、ScriptEngineBuildVersion()、ScriptEngineMajorVersion()、ScriptEngineMinorVersion()NN なし IE 4 ECMA なし

これらの関数は Internet Explorer のみで使用でき、メソッドの呼び出しに使用されているスクリプトエンジン (Jscript、VBScript、または VBA) と、インストールされているエンジンのバージョンを返します。Jscript では、バージョンはブラウザのサポートファイルとしてインストールされている Jscript.dll ファイルのバージョン番号を指します。また、メジャーバージョンはバージョン番号の小数点より左にある部分を指し、マイナーバージョンは小数点の右の部分を指します。さらに、マイナーバージョンよりも細かく分れているビルド番号は、製品の開発からリリース段階においてバージョン管理をするために Microsoft が内部で使用する番号です。

 
戻り値

ScriptEngine() は、JScriptVBA、または VBScript のいずれかのエンジン名を返します。これ以外の関数はすべて整数値を返します。

 
パラメータ

なし

 
unescape()NN 2 IE 3 ECMA |1|

unescape(string)

関数にパラメータとして渡された URL エンコードされた文字列からエンコーディングをなくした結果を返します。URL エンコーディングは、*_+-./ の各記号、および IE では @ も除き、英数字以外の文字を 16 進値に変換します。たとえばスペースは %20 に変換されます。Windows 版 IE 5.5 と Netscape 6 では、このメソッドの代わりに、decodeURI() メソッドと decodeURIComponent() メソッドが採用されています。このメソッドは、ECMA 3 仕様からは削除されています。

 
戻り値

文字列

 
パラメータ
 
  • string
      URL エンコードされた文字列値
 
unwatch()、watch()NN 4 IE なし ECMA なし

unwatch(property)、watch(property, funcHandler)

Navigator 専用の関数で、主に JavaScript デバッガにより使用されます。ステートメントが特定のオブジェクトに対して watch() 関数を呼び出す場合、パラメータには監視 (watch) するプロパティと、そのプロパティの値が変更された場合に呼び出す関数への参照を指定します。監視を無効にするには、監視しているプロパティに対して unwatch() 関数を呼び出します。

 
戻り値

なし

 
パラメータ
 
  • property
      監視するオブジェクトのプロパティの名前
  • funcHandler
      監視しているプロパティの値が変更された場合に呼び出す関数の名前。関数名の後にかっこは付けません。