規格外のblink要素で画面を点滅させています
JIS 5.1 a), 5.8 b); WCAG 7.2;
 
 
概要

Webページに規格外要素であるblink要素があります。

 
 
修正/チェック方法

<blink>タグを、ユーザーが制御できない状態でテキストを点滅させることのない、CSSのプロパティなど他の何かに置き換えてください。

W3Cのドキュメント( &url_w3c_html_tech;#style-text&w3c_html_tech;)では、blink要素およびmarquee要素を使用しないことを推奨しています。

もし、どうしても点滅させる必要があるのであれば、CSSのプロパティ 'text-decoration: blink' を用いてください。これにより同じ効果が得られます。しかしながら:

  • ユーザーが、ブラウザの設定でCSSをオフにすれば、その点滅は止められます。
  • このWebページがリンクしているCSSファイルを複数にするとよりよいでしょう。'text-decoration: blink' の指定を除いたほとんどのプロパティを(すべてのファイルにおいて)有効にしておくことが可能です。こうすることで、(最新のブラウザを使用している)ユーザーはCSSファイルを切り替えて、点滅を除いたすべての必要な処理をしてくれるCSSファイルを選択することができます。
  • (X)HTMLソースコードは標準仕様に準拠したものになり、かつ同様の効果が得られる(点滅を指定するプロパティは外部CSSファイルで1回記述されるだけなので)。
 
 
修正/チェックのポイント

ウェブコンテンツは、各種のブラウザやOS・支援技術(注)などとの連携によって利用者に提供されます。

広く一般に定められた規格や技術仕様(HTML文法など)に準拠することで、ウェブサイトを有効に利用することができます。

(注)支援技術
障害のある人が、IT機器などを利用できるようにする技術のことです。
音声ブラウザや画面拡大ソフト、キーボードエミュレータやジョイスティックマウスなどがあります。アシスティブテクノロジー(Assistive Technology)とも言います。

  • HTMLやCSSなど、W3C(World Wide Web Consortium)で検討している技術は、W3Cが公式に発表している正しい文法で記述する。 W3Cで廃棄予定または推奨していない技術は使用しない。

光過敏性てんかんのある利用者は、1秒間に数回の明滅や、ストロボ光のような光量の急激な変化に対し、発作を引き起こす可能性があります。
視覚に障害がある場合や、加齢などの原因で認知力などが低下してくるような場合には、明滅や自動スクロールなど、視覚的に変化する情報は把握しにくくなります。

  • 画面全体が、1秒間に2回以上、明滅する表現は行わない。特に彩度(注1)の高い赤の明滅や、色のコントラストの強い画面の反転は避ける。
  • 画面要素(文字、画像など)に、明滅や自動スクロールなどを使用することは避けることが望ましい。使用する場合は、なるべく遅くし、内容を把握しやすくするか、静止した状態での情報提供(テキストによる解説など)も行う。
  • 特に、<blink>タグ、<marquee>タグは使用しない。これらのタグはHTML4.01で規格外のため、使用しない。
  • (注1)彩度
    鮮やかさの度合いのこと。「彩度が高い赤」は、「鮮やかな赤」を意味する。
  • (注2)補色
    「一定の割合で混ぜ合わせると光では白色光に、絵の具では灰色になる関係にある二つの色。」(「大辞林」1992年より)
    例えば、赤とシアン、緑とマゼンタなど。

『富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 第2.0版』 © 2004 富士通株式会社

 
 
JIS関連項目

5.1 規格及び仕様
a)
ウェブコンテンツは,関連する技術の規格及び仕様に則り,かつ,それらの文法に従って作成しなければならない。

5.8 速度
b)
早い周期での画面の点滅を避けなければならない。

JIS X 8341-3:2004『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報機器における機器,ソフトウェア及びサービス-第三部:ウェブコンテンツ』(© 財団法人 日本規格協会)

 
 
解説

<blink>タグはコンテンツを点滅させます。ユーザーは、この点滅をストップすることができません。

ユーザーはこの点滅を目にすると集中力を失い、Webページ上の情報を読んだり、フォームに入力したり、といった作業に集中するのがとても困難になります。

点滅していると、認知障害のあるユーザーはWebページのコンテンツに集中するのがとても大変になり、彼らに対してはずっと重大な影響を及ぼします。また、画面拡大ソフトを使用しているユーザーがページ上の一部で点滅しているテキストの部分を読むときのことを考えてみてください。この場合、拡大された画面の大部分が点滅することになります。繰り返しますが、点滅は、こういったユーザーが作業に集中するのをとても困難にするのです。

ユーザーが急いでいるときやプレッシャーを感じているときなどは、ある意味では、誰もが認知障害の状態にあるといえます。例えば、とても騒がしくて混雑した空港で、自分の後ろに長い行列ができているキオスク端末で航空券のeチケットを購入している時、たいていの人はチケットを購入することに十分に集中できないでしょう。画面上で何かを点滅させたところで、それはユーザーが購入手続きを完了させるのに何の役にも立たないのです。

 
 
JIS X 8341-3について

JIS X 8341-3 の内容は、以下のサイトにて規格番号「X8341-3」で検索して、規格票をご覧ください。

  • 閲覧:日本工業標準調査会(JISC)
    http://www.jisc.go.jp/
  • 購入:日本規格協会(JSA Web Store)
    http://www.webstore.jsa.or.jp/