フレームのtitle属性が無効です
JIS 5.2 f); WCAG 12.1; 508条 (i)
 
 
概要

ドキュメントにある<frame>タグには有効なtitle属性がありません。

<frame>タグのtitle属性は、以下に挙げる条件に該当する場合に有効です:title属性が存在する、title属性が空("")ではない、そしてtitle属性がスペースのみ(" ")ではない。

 
 
修正/チェック方法

<frame>タグに有効なtitle属性を定義してください。

フレームのタイトルを、フレームのコンテンツおよびWebページにおけるフレームの役割を説明して、フレームの識別とナビゲーションを手助けするように、title属性値に記述してください。

また、代替手段の一つとして、title属性値とname属性値に同じ文字列を用いてください。例えば、Linuxのテキストブラウザはname属性値のみを使用します。

title属性値は、以下に挙げるような要件を満たしていれば有効です。

  • (X)HTMLタグを含んでいない
  • 空("")ではない
  • スペースのみ(" ")ではない
 
 
修正/チェックのポイント

フレームを使用したページは、ブラウザのブックマーク(お気に入り)へ登録できない場合があります。
また、検索エンジンを使用した場合、フレームの一部として作成されたページが、検索結果に表示されることがあります。

このような場合、検索結果のページにはナビゲーションやメニューが表示されず、その後の操作が困難になります。

さらに、音声ブラウザの利用者は、フレームを1つずつ選択して読み上げなければなりません。
フレームで細かく分割されたページは、ページ全体の内容を把握するまでに、時間がかかります。

  • 分割する領域は、4つまで(ヘッダー、メニュー、本文、フッター)とする。
  • フレームは、入れ子(フレーム内にフレームを設定する)にしない。
  • 各フレームの役割(ヘッダー、メニュー、本文など)を整理して、ページの構造を明確にする。
  • リンクを使用し、フレームの一部を変更する場合は、フレームの定義ファイルにリンクしないことが望ましい。
    (フレーム全体のフォーマットがほとんど変化しないのに、フレームの定義ファイルへリンクすると、音声ブラウザの利用者は、各フレームの役割を再度、すべて確認しなければなりません。)
  • <noframes>タグを指定することが望ましい。代替情報として、ページの概要を記述する。

『富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 第2.0版』 © 2004 富士通株式会社

 
 
JIS関連項目

5.2 構造及び表示スタイル
f)
フレームは,必要以上に用いないことが望ましい。使用するときは,各フレームの役割が明確になるように配慮しなければならない。
参考 フレームを使用したページは,各フレームの役割及び各フレーム内のデータの変化が分かりにくいために,情報アクセシビリティを損ねる可能性がある。また,音声ブラウザによっては,フレームを別々のページとして認識する場合があり,作成者の意図どおりに利用者が理解できない可能性もある。タイトル又は広告などを表示するためだけにフレームを使用したり,レイアウトのために中身が空白のフレームを作ったりすると,利用者は理解しにくくなる。
例1. HTML では,frame 要素にはtitle 属性を用いて各フレームの役割を記述する。また,フレーム内の各ページにはtitle 要素を用いて内容にあった固有のタイトルを付ける。

JIS X 8341-3:2004『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報機器における機器,ソフトウェア及びサービス-第三部:ウェブコンテンツ』(© 財団法人 日本規格協会)

 
 
解説

フレームは、複雑なナビゲーション構造を実装するのに適しています。しかしながら、もし正しく実装されなければ、多くのユーザーにとっての障害物になるかもしれません。想定しうる状況で、あらゆるテクノロジーを使用しているユーザーが、そのフレームを用いたページを利用できることを確認してください。

一般的なユーザー・インターフェースのデザイン・ガイドラインに、"ユーザーが複雑なページあるいは要素を理解するのを手助けするために、前後関係と情報への道筋を提供すること" というのがあります。

フレームの場合、ノングラフィカルなブラウザが示せるのはtitle属性値だけなので、title属性を定義すべきであるということになります。実際に、各フレームは他のフレームとは別々に示されるので、ユーザーは各フレーム間の関係を理解するのが困難でしょう。"コンテンツエリア" あるいは "ナビゲーション" のようなtitle属性値は、"左側" あるいは "上のフレーム" よりもずっと有益な情報となります。

複数の要素間の関係について前後関係や文脈の情報を提供することは、すべてのユーザーにとって役に立ちます。Webページ内の複数の部分間にある複雑な関係は、認知障害あるいは視覚障害のある人にとっては解釈しづらいことがあるのです。

認知障害というのは精神障害のある人だけを指すのではなく、空港でeチケットサービスを使用している人、周囲が騒がしい場所で電話で音声ブラウザを使用している人、迅速な決断が要求される状況でPDAを使用している人、あるいは集中力の切替が困難な会議中にブラウザを使用している人、などのように、ある特定の悪条件下で作業している人にも同じことが言えます。

同様に、視覚障害のある人には、メガネを自宅に忘れてきてしまった人、暗い場所で暗いディスプレイを使用している人、あるいは電話越しにボイスブラウザやスクリーンリーダーを使用している人、なども該当するのです。

 
 
JIS X 8341-3について

JIS X 8341-3 の内容は、以下のサイトにて規格番号「X8341-3」で検索して、規格票をご覧ください。

  • 閲覧:日本工業標準調査会(JISC)
    http://www.jisc.go.jp/
  • 購入:日本規格協会(JSA Web Store)
    http://www.webstore.jsa.or.jp/