リンクのtitle属性は適切ですか?
JIS 5.3 g); WCAG 13.1;
 
 
概要

Webページにテキストリンクがあります(すなわち、a要素で囲まれたテキスト)。そのテキストリンクのラベルが簡潔でリンク先の内容が分かることを確認してください。

リンクのラベルは、その部分だけを読んでも、リンク先の内容が分かるように記述されていなければなりません。そのリンク単独でも、あるいはリンク部分の一覧の中にあっても意味のあるラベルであるべきです。また、簡潔で明解でなくてはなりません。例えば、(X)HTMLでは、"ここをクリック"、"クリック"、"こちら"、"ここ" ではなく、"バージョン 4.3 に関する情報" と記述してください。さらに、コンテンツ制作者は、リンクのラベルをより明解にするために、リンクのタイトルを提供して、そのリンク先をさらに明確にすることができます(例えば、(X)HTMLでは、title属性を用います)。

 
 
修正/チェック方法

リンクのラベルを編集して、そのリンク先をはっきりと説明してください。リンクのラベルは簡潔、かつ前後の文脈に関係なく(すなわち、Webページのすべてのリンクの一覧の中にあっても)その部分だけで明確に理解できるようにしてください。

もし、リンクのラベルが十分でなければ、リンクのタイトル(title属性)も用いてください(多くのブラウザでは、そのリンクをマウスオーバーしたときに、一時的に小さなツールチップで表示されます)。ただし、リンクのタイトルを用いる場合は、サイト上のすべてのリンクで一貫して使用するようにしてください。

 
 
修正/チェックのポイント

リンクの部分だけで、リンク先を正しく推測できない場合、利用者は必要なリンクを選択することが困難になります。
上肢に障害のある利用者は、リンクを選択しなおすことが困難な場合があります。

また、音声ブラウザはリンク部分のみを読み上げる機能があります。
例えば、「ここ」「こちら」など、指示代名詞だけにリンクを付けた場合、視覚に障害のある人は、正しくリンクを選択できない場合があります。

  • テキストの場合
    • 「ここ」「こちら」など、指示代名詞だけでリンク先を指定しない。
      例えば、「より詳細な情報はこちら」の文字列のうち、「こちら」ではなく、「より詳細な情報」をリンクとする。
    • 「クリック!」「click here!」など、リンク先の内容を推測できない表現は避ける。
    • リンクする範囲を広げるだけで、わかりやすくなることがある。
      例えば、「より詳細な情報はここをクリック」の文字列のうち、「ここ」だけをリンクとするのではなく、「より詳細な情報」をリンクする。
  • 画像の場合
    • 画像に表示された文字や絵文字(アイコン)は、ボタンの機能を正しく推測できるものが望ましい。

『富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 第2.0版』 © 2004 富士通株式会社

 
 
JIS関連項目

5.3 操作及び入力
g)
ハイパリンク及びボタンは,識別しやすく,操作しやすくすることが望ましい。
参考 音声ブラウザなどには,ハイパリンク部分だけを取り出して利用できる機能がある。その機能を利用するとき,ハイパリンクテキストに十分な情報が含まれていないと,ハイパリンクの区別がつかなくなることがある。

JIS X 8341-3:2004『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報機器における機器,ソフトウェア及びサービス-第三部:ウェブコンテンツ』(© 財団法人 日本規格協会)

 
 
解説

ほとんどの支援技術は、Webページからすべてのリンク部分だけを抽出して、リンクのリストを作成することができます。この場合、リンクのラベルおよびリンクのtitle属性値にある情報から、ユーザーはそれぞれのリンク先の内容を理解できなくてはなりません。

そう考えると、"詳細" のようなリンクは、特にそのWebページで何度も繰り返して用いられている場合には、前後関係が分からないとリンクのラベルとしては不明確です。

また、リンクのラベルでは、ユーザーがそのリンク先に何があるのかを理解できるだけの十分な情報を提供すべきです。ユーザーがそのリンクをクリックする前に、そのリンク先の内容をはっきりと理解できるようにしてください。そうしないと、ユーザーは新しいページが読み込まれて表示されるのを待たされたあげく、そのページのコンテンツを読んだら全くむだだった、ということになりかねません。

特に、(ユーザーに通常のページよりも読み込みに時間がかかることを警告すべきな)とても重たいページ、あるいは特定のプラグインを必要とするページ(PDF、Flash、MS Word、など)へのリンクでは重要です。そういったリンクのラベルには、ユーザーがそのリンクを洗濯するかどうかを判断できるように、ファイルサイズ(容量)やファイル形式などの情報も含めるとよいでしょう。特にそういった但し書きがなければ、ユーザーは通常のリンクだと思って選択します。それだけに、選択してみたら重たいページだったとか、特定のプラグインを必要とするページだったとか、というのは、ユーザーに悪い印象を与えてしまいます。

 
 
JIS X 8341-3について

JIS X 8341-3 の内容は、以下のサイトにて規格番号「X8341-3」で検索して、規格票をご覧ください。

  • 閲覧:日本工業標準調査会(JISC)
    http://www.jisc.go.jp/
  • 購入:日本規格協会(JSA Web Store)
    http://www.webstore.jsa.or.jp/