入力や操作に制限時間はありますか?
JIS 5.3 c)
 
 
概要

Webページに、object、embed、applet、button、input、select、textarea、isindex要素のいずれかがあります。もし、それが提供しているコンテンツに入力あるいは操作時間の制限がある場合は、ユーザーにその制限時間を事前に知らせていることを確認してください。

 
 
修正/チェック方法

Webページにあるobject、embed、applet、button、input、select、textarea、isindex要素のいずれかが、その提供しているコンテンツに入力あるいは操作時間の制限を設けている場合は、ユーザーにその制限時間を事前に分かりやすく知らせていることを確認してください。

ただし、制限時間を設ける前に、どうしてもその制限時間を設けなければならないかどうかを十分に検討することが重要です。可能であれば、制限時間を設けないのがベストです。しかし、セキュリティ上の理由や時間に関係のあるイベント性などがある場合は別です。そのWebコンテンツを成立させる上で制限時間が不可欠であれば、その旨を事前にユーザーに伝えるようにしてください。

 
 
修正/チェックのポイント

初心者や高齢者など、フォームの入力完了に時間がかかる利用者は多く存在します。
時間制限があることによってあわててしまい、入力を間違う可能性が高くなります。

  • 時間制限は設けないことが望ましい。
  • セキュリティなどの理由から、やむを得ない場合は、時間制限があることを表示する。
    また、ゆとりある時間設定にし、経過時間や残り時間をページ内で表示する。
    さらに、利用者側でその設定時間を延長できることが望ましい。

『富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 第2.0版』 © 2004 富士通株式会社

 
 
JIS関連項目

5.3 操作及び入力
c)
入力に時間制限を設けないことが望ましい。制限時間があるときは事前に知らせなければならない。
セキュリティ上の配慮などから入力を一定時間内に終えなければならないときは,その時間を明示する。
参考 高齢者・障害者支援技術を使うとき,入力作業に時間がかかることがある。入力に時間がかかる場合にも事前に必要な情報を用意しておくといった対処が可能になる場合がある。

JIS X 8341-3:2004『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報機器における機器,ソフトウェア及びサービス-第三部:ウェブコンテンツ』(© 財団法人 日本規格協会)

 
 
解説

Webコンテンツの入力や操作に制限時間があると、ユーザーがその時間内に要求されている作業を完了できない恐れがあります。特に、高齢者や障害者ユーザーなどは、他のユーザーと比べて入力や操作に時間がかかる傾向にあります。その作業を完了するのに要する時間は、ユーザーによってまちまちであり、一概にその長さを決めることもできません。制限時間を設ける必要のあるコンテンツかどうかを十分に検討して、できるかぎり制限時間を設けないようにしてください。

しかし、Webコンテンツの種類によっては、その特性からセキュリティ上の理由により、制限時間を設けなければならないケースがあります。どうしても制限時間を設けなければならない場合は、制限時間があることを事前にユーザーに分かりやすく示してください。その際には、例えば "セキュリティ上の理由により、ログインから30分後に自動的にログアウトされます。" というように、制限時間の長さだけでなく、その理由も簡潔に示しておくとよいでしょう。

たとえ、制限時間があることを事前に知らせていたとしても、どうしてもその制限時間内に目的の作業を完了できないユーザーがいるかもしれません。そういったユーザーのことも考慮して、問合せ先なども明記しておき、ユーザーが困ったときにはサイト運営者に連絡ができるようにしておくとよりよいでしょう。この場合の問合せ先は、必ずしもオンライン上である必要はなく、電話やFAXといったオフラインのものでもかまいません。

 
 
JIS X 8341-3について

JIS X 8341-3 の内容は、以下のサイトにて規格番号「X8341-3」で検索して、規格票をご覧ください。

  • 閲覧:日本工業標準調査会(JISC)
    http://www.jisc.go.jp/
  • 購入:日本規格協会(JSA Web Store)
    http://www.webstore.jsa.or.jp/